No.1 日本市場を開いたレジェンド

posted: 2018-01-06 modified: 2018-12-14


(左)Prof.Heinz E.W.Simonitsch ハインツ・E.W.・シモ二チ
(右)インタビュアー 中山雅代

シモ二チ氏は、一人で日本市場を開くためにやってきたジャマイカ在住のオーストリア人である。
「今日、何か間違った事をしなかったかな?明日はよくしたいので、気がついた事を何でも言ってくれたまえ」
異文化に接するという事は、こういう事なのか、と軽い衝撃を受けた。
もう、30年も前のことになる。
私は2日間だけ、シモ二チ氏の通訳を引き受けた。「ハーフ・ムーン」という
ジャマイカきっての高級リゾート・ホテルの社長であり、ホテル協会のトップと聞いていた。
その頃、日本の旅行業界には、ジャマイカはほとんど知られていなかったし、
ウサイン・ボルトはまだ2歳だった。
それからは「ハインツ、冷たいおしぼりをチェックインの時にゲストに手渡したらどうでしょうか?」
「部屋にスリッパを備えては?」
すべての提案に耳を傾けてハーフ・ムーンですぐに実行したのだった。
そして毎年、欠かさず営業にやって来た。が、業界はなかなかジャマイカに関心を示さなかった。
やがて、全日空のワシントン線の席を埋めるために「冬だってバカンス」というTVCFが流れた結果、
ワシントンから暖かいカリブ海へとゲストの興味がつながっていった。
CF撮影のためにハーフ・ムーンのビーチにあるウオーター・スポーツの小屋を
赤、黄、緑のラスタカラーに塗り変えたのは、シモ二チ氏だった。
昔と変わった事といえば、眼光鋭い、カラヤン似と言われた面立ちが柔和になり、話し方もゆっくりになった。
彼の元気の源をチーフ・ウエイターがこっそり教えてくれた。
「シモは、パパイヤの黒くて苦い種を全部食べたよ」。朝食には必ず、実行していたという。
60歳を過ぎてから30歳以上年下の美女と結婚し、3人の子供たちにも恵まれた。
「妻と旅行するたび、きれいなお嬢さんといい旅を!」と言われたんだ、と笑った。
70歳の誕生日の時に友人たちの賛同もあって子供たちのために「ハインツ・E.W.シモ二チ・スクール」を開校。
オーストリアのリエンツにはオール・スイートのグランド・ホテル・リエンツを開業。
彼のホテル業の原点は、スイスのボーイ時代にあった。お客様のリクエストにはすべて応えた。
雪降る中をゲストのお気にいりのミルクを買いに走って喜んでもらえたし、チップもうれしかった。
繁忙期にはロビーの柱に隠れて立ったまま寝たりしたそうだ。
ほとんど全てを実現した強い意志の持ち主。今、90歳の夢は「健康で長生きすることかな」

Half Moon

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