ジャマイカでのトレーニングに耐え、ボルトに認められたライフセーバー


和田賢一さん、Mr.Kenichi Wada

 和田さんは、大学時代、テ二ス、サーフィン、総合格闘技、ダブルダッチなどを経験したが、すべて結果をだせなかった。その後、トレーナーをめざすための研修でライフセービングに出会い感銘を受けた。「大切な人が目の前で倒れた時にあなたは、その人の命を守ることができますか」。そして、2010年にライフセービングの競技のひとつであるビーチフラッグスに出会ったのである。トレーナーとして働きながら、早朝、深夜と近所の公園の砂場で毎日毎日、練習を繰り返し、その回数はゆうに10万回を超えた。現在30歳。ここに至るまでの和田さんの努力は、語り尽くせないほどある。

ビーチフラッグスのチャンピオンになる為、自分に不足しているのは、脚力だと判断。2014年11月から3ヶ月、単身ジャマイカで、ボルトの所属するレーサーズトラック・クラブのトレーニングを体験。その結果、2014年–16年と全日本ビーチフラッグス選手権大会で3連覇を果たした。

「ボルトさんは、やさしいお兄さんといった感じ。裏表なく誠実な人。世界一のアスリートなのに毎日、自分を奮いたたせて、泥臭く努力していた。コーチの指導どおりに、何秒で走って、何秒で休むなどを忠実に守り、コーチとの信頼関係もすごい」

和田さんは、ボルトの自宅に招かれたただ一人の日本人である。ボルトさえ、トレーニングの間に吐いたりする過酷なプログラム。「死ぬかと思ったほど」の毎日を耐え抜いてきた日本人を認めてくれたのだった。和田さんの生き方は、ライフセービングが基本となる。今は地域おこし協力隊の一員としてライフセーバーが一人もいない淡路島に移住し、さまざまな活動にとりくんでいる。普及活動の一環として、スポーツジムの監修や講演をしたり、幼児にライフセーバーの大切さを教えている。「0歳から4歳まで。まず、映像でライフセーバーの活動を見せ、鬼ごっこをしたり、ジャンプをしたり、精神性も身につける。子供はヒーローにあこがれるし、誰もが誰かのライフセーバーになれるんです。誰かを守ろうとした時、自分が一番強くなれる」。学校教育に限界を感じている和田さんは、幼児期から命を守る大切さを教え実践しているのだ。

ライフセーバーや海辺で行われるビーチフラッグスの競技大会を観戦する時、慣れないとわかりにくい。ただ、遠くから見ていても、和田さんと分かる場面がある。彼は競技大会の会場に入る時と退場する時、必ず一礼するのである。勝っても負けても。彼のその誠実さや礼儀正しさは、国の内外を問わず人を魅了する。

今年11月の全日本選手権大会で優勝して、2019年の全豪選手権大会には世界一をめざす。一人でチャレンジする限界を感じていた矢先にビーチフラッグスの第一人者でもあるオーストラリア人のサイモン・ハリス氏から指導の動画が届いた。それを忠実に反復練習している。「50歳ぐらいまで現役で活躍していたい。だから、日々の疲労を蓄積させないように高濃度の酸素とモリンガへルスケアという栄養補助食品を毎日摂取しています」

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