東京のジャマイカ料理店、「Good Wood Terrace」のオーナーは釣りが大好き


Mr.Kenta Sato佐藤健太さん 写真:食の講座で、参加者へスパイスの説明をする佐藤さん

 「高校卒業してから、栄養士の専門学校に行きました。調理というより、素材を生かした、
”体にいい“を考えて調理する学校でした。素材を熱に入れると分解して体にどんな働きをするか、あるいは、素材の繊維を生かした切り方をするなど、素材とむきあってました」

レストラン開店のきっかけは、従弟のレゲエ・シンガー、TAKUTOさんが池袋で「Good Wood Terrace」での音楽活動とレストラン経営にも関わっていたので興味を持ち、佐藤さんも経営陣に加わった。ちなみにTAKUTO さんは、1996年、ロンドンで「風の人」の主要メンバーと出会い、帰国後、下北沢を拠点にレゲエ・アーティストとして活躍し、2006年には作家の川内康範の遺作アルバム「ツルージャパン/やすらぎ」で作曲し、作家の代表作のひとつ「月光仮面」ではボーカルを担当した。現在も佐藤さんの店で毎週、火曜日と木曜日はセレクターとして活躍している。

その従弟の影響もあって8年前、ジャマイカに初めて行った。「町中は音に包まれていて、人々は歌う、踊る、エネルギーであふれていて生活力がいっぱい。レゲエはダイレクトなメッセージがいい。自分の気持ちを飾りなくストレートに代弁しているようで好きです」

7年前、道玄坂の今の場所に移転。在日ジャマイカ人が推薦する都内唯一のジャマイカ料理専門店になった。

「池袋店で働いていた絵描きでもあるジャマイカ人のリッチーにジャマイカ料理を本格的に教わり、店の味を追及しました。彼の料理方法は口伝えするだけで、レシピなどない勘がものをいう調理のやり方で、最初はとまどったけれど、手を抜かないこだわりの料理を提供したいと常に思ってました」。お店の特徴はと聞いたら「ジャマイカと同じように半分に割ったドラム缶を使いこだわりの備長炭で焼いてます」。佐藤さんには1歳半のお嬢さんがいる。子煩悩で「可愛くて、なんでも買い与えてしまう」と目を細めた。ご自身は、学校の先生をしていた母と建設業に携わるサラリーマンの父との家庭に育った。「勉強しなさい」などと言われたことがなく、放課後は、川での鯉つりに夢中になった。それが今に繋がっている。仲間10人と船を買い「IRIE fishing club」を設立。時間がある時は、レゲエ好きの仲間と一緒に釣りに出かける。

道玄坂は、レストラン、飲み屋、居酒屋が数限りなくある。人びとも又、さまざまに行きかう。「お得意さんのお願いとか頼みごとは引き受けるけれど一歩踏み込まないのが鉄則」。筆者がインタビューしている間に、店内で奇声を発し、歌いだした若者がいた。お得意さんの一人だそうだ。その時、佐藤さんはスタッフと一緒にやさしく彼をさとしたのである。「相手からみれば、自分も変わっているかもしれないし、お客様から学ぶ事も多く成長させられます」。包容力のあるオーナーの心がのぞいた一瞬だった。佐藤さんの夢は「いつかは、魚料理店、カリビアン・シーフード・レストランを開きたいですね」

Good Wood Terraceグッドウッドテラス

HP:http://www.goodwoodterrace.net/
東京都渋谷区道玄坂1-19-3 ライオンズマンション103
TEL:03-5728-7418
営業時間:ランチ:12:00-15:00 ディナー:17:00-03:00
休:年始のみ


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