No.8 ジャマイカ、ウエストモアランド県と鳥取県を繋げた、陰の立役者  前編


Mr.Tomoki Kosaka 高坂知樹さん

 「ジャマイカンは、内面が純粋で優しい人が多かったです。青年海外協力隊としてジャマイカに入る前は、“怖い人が多いのでは?生きて日本に帰れるだろうか?”といった漠然とした不安があって“自分を強く見せるために黒のごついサングラスを購入し、乗り込んだのですが・・・」と高坂さんは語る。結果、紫外線対策としてのサングラスは、大いに役だったけれど、はったりをかます必要はまったくなかったのだそうだ。
高坂さんは、社会人経験が10年以上経ったとき、自分の仕事のスキルがどこまで通じるか試してみたくなり、そこで目を向けたのが青年海外協力隊活動。詳しくは後編で。

 ジャマイカで驚いた事。日本車がなんと多い事か!走っている車9割以上が日本からの中古車。日本のカーナビやオーディオシステムがついたまま輸入されていたのである。つまり「ETCカ―ドが挿入されていませんとか操作画面のカタカナ表示は、明らかに異質であり、不安にかりたてられるらしく、初対面のジャマイカンにも説明を求められたる事がよくあり、感謝された。そのように些細な事でも実際に人の役に立てる事は、この国に居場所ができたような気がして、とても嬉しかったです」と語る。

 住んでみて一番困った事は、仕事の約束で、時々反故にされたり、約束時間を守られなかったりする事。自宅の簡単な修繕でさえ、修理してもらえるまで2~3ケ月かかる事もしばしば。最初はイライラしていたけれど、慣れてくると「そんなものか」と思えるようになる。「約束や時間が当たり前のように守られる日本社会は世界でも高く評価されていますが、行き過ぎた納期至上主義などによって、うつ病患者や自殺者が多い社会になっています。一方でジャマイカは、仕事の優先順位は低く、家族との時間がもっとも大事とされている。ブラック企業が社会問題化している日本では仕事と生活のバランスについて、今一度真剣に考えなければならないのではないかと考えます」。

 日常の生活では蚊に常に悩まされたという。赴任して間もない頃、「両足に、50ヶ所以上刺されて、痒さのあまり夜も眠れずベッドで絶叫していました。それ以来、職場でも自宅でも欠かさず虫よけスプレーを使用するになった。風呂あがりの気持ちの良い時にも体にスプレー!なんか、もったいない気がしたけれど、背に腹は代えられなかった」

 ジャマイカのゴキブリは、全然すばしっこくない。暑さで1日以上は生き伸びられないみたいなのである。「ある時、天井から頭に落ちてきてコツン!あ、いたの?みたいな感じでやり過ごした自分がいて、ジャマイカに住んでいる自分は、随分と逞しくなったなぁ」と実感したのだそうだ。どの家庭でも大敵なのはアリだ。食材をキッチンに置いておくと、それを嗅ぎつけアリの行列が始まる。だから、食べたらすぐ皿を洗う。虫よけスプレーをキッチンの床にまいて置き、常に清潔にすることが大事なのだ。 後編に続く。

JICA 独立行政法人 国際協力機構

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