青年海外協力隊員を経てジャマイカで学習塾を目指す


Mr. Yutaro Furuta 古田優太郎 – 元教え子たちとともに。

 「協力隊員として、ジャマイカに派遣されてみて、算数・数学教育レベルが低い事に驚きました。例えば小学5・6年になっても基本的な四則計算が正しくできない子どもたちがたくさんいる。日本ではおはじきやブロックを使って教えるような教材がここではほとんどないし、数の量感覚がないため、指で数え足しをしないと足し算引き算ができないんですね」

こういう子どもたちを目にして、2年が過ぎたときにこのまま日本に帰国していいのか迷いに迷ったそうだ。

一時帰国した後、教育省に仕事を得て、ジャマイカに戻り小学校を回って教員を支援する仕事をした。やがて教育省という枠組みの中で活動していても、大きな課題解決にはならないという壁にぶつかり、民間の一員として学習塾という形で学校教育によい影響を与えれればと考えるようになった。

具体的には、まず習い事文化を知るために現地のプログラミング教育事業に入った。ここでは、ジャマイカ特有の学習塾のスタイルがあることやIT教育にも強い需要がある事を学んだので現在は、個人として来年の学習塾開校を目標にして準備を進めているそうだが、どんな形になるのだろうか。
「学習塾の内容は、算数・数学教育+IT/プログラミング教育を考えています。それは貧困層を対象にしたいんですが、やはり費用は負担させられないんです。これだけでは、僕個人として支援の限界があるので、同時に費用が払える家庭の子どもを対象に同じプログラミング教育を行い経済的基盤を作っていきたいと考えています」と古田さんのビジョンはしっかり定まっている。現状維持で甘んじることなく、しかも慎重に確実に前に進んでいる古田さんの熱心な話に耳を傾けずにはいられなかった。

「ジャマイカの子どもたちは、目にするものが少ない分、自分が新しい物を見せると興奮して一生懸命学びます。そんな学びに飢えている姿勢をみると、自分も頑張って応援したいと強く思いますね」

古田さんは過去、日本で自分が中学校の講師をしていた時に「何も知らない自分が教員になっていいのだろうか?」と悩んだ時期があったそうだ。その時、好きな自転車で夏休みや春休みを利用して日本1周の旅に出た。その体験を通して身につけた根性とタフさで、自分に自信がついたのだそうだ。

もの静かな28歳の青年は、ジャマイカでの教育改革に関して、内に秘めた志は誰にも負けないものを持っていた。彼の活動は日本のTV番組にも紹介されるのだが(OAは2020年2月)、又、プログラミングの分野で受賞経験もあるのに、その事をひけらかすこともない。彼の揺るぎない目標を理解して協力してくれる人がたくさん現れる事を期待したい。実現不可能な事がらや不確かなことは、宣言したくないと言う古田さんだが、たくさんの人が彼のやろうとしている事に賛同して支援の輪に加わり、活動をフォローし続けて欲しい。彼の過去の体験をもとにしたブログは、現場を知った者しか書けない話がたくさんつづられてある。ぜひサイトを検索して、こちらも読んでいただきたい。

コンタクト先:

Email : fruta.yutaro@gmail.com
HP : https://fruta-math.com/


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